注文住宅を建てるのは一生に一度の大きな決断!「理想の家をつくりたい」と思う一方で、「ちゃんとした家ができるかな?」という不安もありますよね。そんな中、「ホームインスペクション(住宅検査)」の必要性が最近よく話題に上がります。
特に、建築中に行うインスペクションはどうなの?やるべき?それとも不要?と悩む方も多いでしょう。今回は、建築中のホームインスペクションがどれだけ大切なのか、そのポイントをプロの視点からお伝えします!
そもそもホームインスペクションとは?
まず、「ホームインスペクションって何?」という方もいるかもしれません。簡単に言うと、ホームインスペクションは、第三者のプロが住宅の品質をチェックすることです。
特に注文住宅では、ハウスメーカーや工務店にすべて任せてしまいがちですが、工事が進むにつれて「本当にちゃんと作っているのかな?」と不安になることもありますよね。そんなとき、プロのインスペクター(検査人)が建築中の現場に入ることで、専門的な目でしっかりとチェックし、問題点を発見してくれるのがホームインスペクションの役割です。
建築中のホームインスペクションが必要な理由
では、なぜ「建築中」にホームインスペクションを入れるべきなのでしょうか?理由は以下のポイントに集約されます。
1. 隠れてしまう部分のチェックができる
建物が完成すると、内装や外装に隠れてしまい、目に見えない部分が多くなります。例えば、基礎の中の鉄筋、柱や梁に取り付けられる構造金物、断熱材などは一度施工が終わると確認が難しい箇所です。
建築中のインスペクションであれば、まだ見える状態で細かくチェックできるので、あとで「ちゃんと施工されているのかな?」、「こんなはずじゃなかった!」という不安を払拭したり、後悔を防ぐことができます。特に、基礎工事や上棟時の状態をチェックすることで、構造上の欠陥や手抜き工事を未然に防ぐことができます。
2. 第三者の目で安心感が得られる
注文住宅の場合、多くの方はハウスメーカー等と直接やりとりしますが、やはり第三者のプロの目が入ることで安心感が大きく変わります。建築会社はもちろん信頼しているけれど、やはり「自分だけで判断していいのか?」と不安になることもありますよね。
インスペクターはお客様の代理人として、あなたには判断できない施工品質を公正な立場で確認してくれるため、ハウスメーカーとだけでは得られない安心感が得られます。
3. 修正が可能なタイミングで対応できる
家づくりは一度進んでしまうと、後戻りが難しくなります。例えば、基礎や断熱材に問題があっても、家が完成してからでは修正が非常に困難です。建築中に問題が発見できれば、そのタイミングで修正できるので、大きな手戻りを防ぐことができます。
これは結果的にコスト削減にもつながります。大きな補修をあとからするより、早期に発見して直してしまう方が経済的にも有利です。
4. 品質を守るための「保険」になる
建築中のホームインスペクションは、言わば品質を守るための保険のようなものです。ハウスメーカーがしっかりと仕事をしているかもしれませんが、人間が行う作業にはミスがつきものです。インスペクションはそういった小さなミスや見落としを防ぐ最後の防波堤となります。
5. トラブルを未然に防ぐ
工事が進むにつれ、ハウスメーカーとのコミュニケーションが行き違うこともあります。「言ったことが伝わっていない」「図面と実際の仕上がりが違う」など、トラブルが発生するケースも珍しくありません。
インスペクションを入れることで、第三者が間に入るため、トラブルの未然防止につながります。定期的にインスペクターのチェックが入れることで、ハウスメーカーとの連携もスムーズになりますし、後々のトラブル防止にも役立ちます。
どのタイミングでインスペクションを依頼すべき?
建築中のインスペクションは、どのタイミングを依頼すれば良いのでしょうか?一般的には、以下の3つの段階でインスペクションを行うのがおすすめです。
1.基礎配筋時:基礎の中に入る鉄筋がしっかりと施工されているかを確認する重要なタイミングです。将来的に基礎の耐久性や耐震性などに大きく影響してきます。
2.上棟時:家の骨組みが出来上がった時点で、柱や梁、床や壁の状態をチェックします。ここで構造上の問題を早期に発見できます。
3.内装工事前:断熱材や透湿防水シートなど、内外装で隠れてしまう部分を確認するタイミングです。ここで見つかる問題は後々大きな手直しを避けるために重要です。
最低このタイミングでインスペクションを行うことで、家が完成する前に不備を発見し、修正ができるため、後からの大きな問題を防ぐことができます。
ホームインスペクションの費用は?
ここで気になるのが費用ですが、建築中のホームインスペクションの料金は1回あたり数万円から10万円前後が相場です。工事の進行具合や依頼する会社によって異なりますが、数回の検査で全体の予算に対して大きな負担にはならないでしょう。
もちろん、この費用がかかることで少し心配になる方もいるかもしれませんが、数十万円の投資で数百万〜数千万円の損失を防ぐことができると考えれば、むしろコスパの良い保険と言えますね。
ホームインスペクションやる?やらない?
ホームインスペクションをやった方がいい人
1.初めて家を建てる方
初めての家づくりでは建築の知識が不足しがちなので、専門家によるチェックで安心感を得られます。
2.建築会社や職人とのやり取りが不安な方
工事の進行状況や品質が本当に問題ないか心配な方には、第三者の目が有効です。
3.工事の品質にこだわりたい方
一生に一度の家づくりだからこそ、少しのミスも許せないと考える方にはインスペクションは必須です。
4.過去に工事トラブルや欠陥住宅を経験した方
以前の家で問題があった経験がある方は、再度のトラブルを避けるために慎重な確認が必要です。
5.構造的な強度など見えない部分が心配な方
完成後には見えなくなる部分の施工品質が気になる場合は、建築中にインスペクションを入れると安心です。
6.大手以外の中小の工務店や初めて依頼する建築会社に依頼する方
中小の工務店や初めての建築会社の場合、施工の経験値や品質がわかりにくいため、確認がより重要です。
ホームインスペクションを必ずしもやらなくてもいい人
1.非常に信頼のおける建築会社に依頼している方
以前に家を建てた実績があり、その会社や職人への信頼が確立されている場合は省く選択肢もあります。
2.建築に関する知識が豊富な方
建築に詳しく、ある程度自分で工事内容を理解しチェックできる場合は、自身の知識で対応できることもあります。
3.親族や知人が建築の専門家で頻繁に現場を確認できる場合
信頼できる建築の専門家が身近にいて、現場をチェックしてくれるならばインスペクションの必要性は低いかもしれません。
4.資金に大きな余裕がなく、インスペクションの費用を他に回したい方
予算が限られており、少しでも建築費に回したい場合は検討から外すことも。ただし、後々のリスクを十分考慮する必要があります。
5.建築会社と定期的に工事進捗を細かく打ち合わせできる方
建築会社が定期的な現場報告や検査を行っていて、進捗や施工品質について透明性がある場合は不要なケースもあります。
まとめ
建築中のインスペクションで後悔しない家づくりを!
注文住宅の家づくりは、夢が膨らむ一方で、後悔しないための慎重さも必要です。建築中のホームインスペクションを取り入れることで、見えない部分や気づけない問題をしっかりと把握し、安心して家づくりを進めることができます。
「本当に必要?」と迷っている方こそ、まずはインスペクションを一度検討してみる価値があります。プロの第三者の目を借りて、大切な家づくりを確実なものにしましょう。
最後に、もし建築中のホームインスペクションをお考えでしたら、私たちHIあすなろ事務所でも建築中の検査サービスを行っています。プロの目でしっかりと家づくりをサポートし、あなたが後悔しない家を手に入れるためのお手伝いをしています。