戸建住宅のメリット
1. 土地の資産価値と利用度が高い
一戸建ては、建物以外に土地の所有権も所有することになるため、将来建て替えや売買、賃貸、お子さんに相続するなどフレキシブルな利用が可能となります。
また敷地内に駐車スペースを確保できますし、庭を持つことで、ガーデニングや家庭菜園など幅広いライフスタイルに対応できる点が挙げられます。
そして、土地という資産を所有する安心感やステイタスを感じることができることも一つの大きな魅力です。
2.騒音トラブルが少ない
一戸建ては、基本建物が独立しているため、マンションのように隣や上下階からの音の問題は少ないと考えていいでしょう。
隣家との騒音問題が全くないかといえばそうでもありませんが、一戸建ての方が隣家へ気を遣うストレスが少ないことを考えればマンションとは比較になりません。
しかし一戸建ては窓が多くなるため、比較的外部からの音が侵入しやすいです。よって窓の設置場所を検討するなど騒音対策が必要な場合もあります。
3.管理費や修繕積立金がかからない
マンションでは毎月の管理費や修繕積立金そして駐車場代の支払いが一戸建てでは不要となります。
しかし、一戸建ては管理費、駐車場代は確かに必要ありませんが、維持管理面を考えた時、修繕積立は計画的にしておいた方がいいのです。
一戸建ては10年前後で屋根外壁の塗装工事や防水工事が必要になり、配管や各設備なども経年劣化していき交換の時期は必ずやってきます。
そうした定期的なメンテナンスを施す費用は必要なので、月々の積立などによる維持管理費の準備をしておきましょう。
4.プランの自由度が高い
一戸建て(特に注文住宅)は、比較的広いプランを作ることが可能です。
各部屋の採光や通気性を考慮したプランや、大空間を活かしたプラン、そしてライフスタイルに合わせたプランを考えることができる為、バラエティーさが最大の魅力となります。
リビングやダイニングなどパブリックスペースとプライベートスペースを分けることも容易で、なんといっても自分の思い通りのプランが可能になります。
しかし、分譲建売住宅は万人向けのプランが多く、ライフスタイルを重視したプランを希望する人には物足りなさを感じることがあるかもしれません。
リフォームを考えた場合も自由度が高いと言えます。マンションでは専用部分以外はできないという規制もあり、思い通りのリフォームが難しいのです。
5.環境に恵まれている
一戸建ては比較的、静かで落ち着いた環境に建設されるケースが多いことから、「静かな環境で暮らしたい」「子供をのびのびと育てたい」といった考えをもつ人に向いている住宅なのかもしれませんね。
また、プライバシーを特に確保したいという人や、自然が身近に感じられる立地がいいという人には非常に向いていると言えます。
ただし都心部での購入を考えると、住宅が密集している場合もあり、プライバシーや日当たりを満足させることは容易でないため注意が必要なケースもあります。
戸建住宅のデメリット
1. 耐用年数が短い
一戸建て、特に日本の木造一戸建て住宅の寿命はお世辞にも長いとは言えません。
一般的に建物の寿命は、一戸建ては30年前後、マンションは50年前後とも言われています。これは構造によるところが大きいと言えますが、メンテナンス無しには語れないのです。
しかし最近、長期優良住宅普及促進法や住宅の長寿命化促進税制などにより長寿命化住宅の普及も活発化しているため、マンション、一戸建てともに寿命が延びつつあります。
2.維持管理が大変
一戸建てもいずれは修繕しなければならない時期がやってきます。
マンションの場合、管理会社が良好に維持管理できる経費を試算し、それを月当りに平均化。一定の割合で負担額が決められているため、手間がかかりません。
一戸建てはすべて自己管理。いつの段階でいくら必要になるのか分からない人が多く、中途半端な維持計画で終わってしまう場合が多いのです。
そしてメンテナンスしたい時には資金がない為、そのまま放置してしまうことが多い様です。これが建物の寿命を短命化させている原因になっているのです。
また一戸建ては土地を所有することになるため、庭の手入れが必要となります。これが結構大変だという人が多いことも注目すべき点になります。
3.気密性・断熱性に劣る
最近では高気密・高断熱を売りに高性能な住宅が商品化されていますが、やはりマンションと比較すると劣ってしまいます。
近年、省エネ家電も増えてきましたが、住宅の床面積などの違いもあり、冷暖房費はマンションより一戸建ての方が掛かります。
いくら高断熱の造りにしても全く熱を遮断することはできませんし、。一戸建ては、マンションより窓が多いことが一般的で、熱の出入りが比較的多いのです。
これが冷暖房費を上げる原因の一つになっています。
4.セキュリティレベルが低い
マンションは鍵一本で戸締りができるが、一戸建ては窓が多い為外出時の戸締りがやや面倒となり、戸締りをし忘れた時には侵入の危険性が高まります。
近年、一戸建てもホームセキュリティが普及し始めていますが、やはりマンションと比較するとスピード・確実性といったところで劣ってしまいます。
マンションでは警備会社と契約していることがほとんどで、不審者が建物内に入ることはかなり難しいでしょう。
一戸建ては防犯性能の高い窓ガラスを使ったり、シャッター、2重ロック、人感センサー付き照明の設置など複数の対策を講じる必要があり、防犯対策のコストが割高になりやすいことが欠点といえます。
5.欠陥住宅への不安
欠陥住宅がクローズアップされ社会問題となった為、10年間瑕疵担保責任や住宅性能表示制度など様々な法整備がなされ消費者保護へ動きが近年強くなってきました。
しかし、こうした公的な制度が整っていたとしても不幸にして欠陥住宅を掴んでしまう、又は欠陥住宅になってしまう危険性は常につきまといます。
公的な制度とは別に、自分のエージェントとして建物検査サービスを提供している民間の住宅検査会社を積極的に利用することが、これからの欠陥住宅防止策の標準となることでしょう。
戸建住宅のタイプ
最後に住宅の構造について説明させて頂きます。一戸建ての構造には、大きく分けて木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3タイプがあります。さらに、各構造の工法は細かく再分化することができます。
主な工法は・・・
木造 ・・・在来軸組工法、2×4方法、木質パネル工法(プレハブ工法) など
鉄骨造 ・・・プレハブ工法、重量鉄骨造 など
鉄筋コンクリート造・・・壁式構造、ラーメン構造、パネル工法 など
マイホーム購入を考え始めた人が構造や工法にこだわることは少ないかもしれません。
しかしマイホーム購入は、30年近い住宅ローンを組み建てる訳ですから、この長期間に十分耐えられる構造や工法を選ぶことも重要になってくることを覚えておきましょう。
一戸建ての場合、マンションとは違い建築基準法の規制がかなり緩くなっていることは否めません。よって、建物の安全性を気にする人は工法の特徴を詳しく知ることも必要となります。
そして、デメリット2で記載した様に一戸建ては維持管理をすべて自分たちで計画し、定期的に行わなければなりません。すなわちあなたのライフプランに維持管理費も組み込むことが必要となる訳です。
この様に、一戸建てでは自主的に何でも行わなければ大事な資産を守っていくことができない建物であるということが言えるのです。
以上、メリット・デメリットを頭に入れて置くことで、これからの戸建住宅の購入がスムーズに進められるのではないかと思います。