はじめに

中古住宅購入で最も重要なことはやはり建物のコンディションを見極めることです。中古住宅購入前にチェックしていただきたい項目はいくつもありますが、その中でも「これだけは絶対にチェックしていただきたい」という項目を5つピックアップいたしました。

専門的な知識や特別な器具がなくても大丈夫！誰でも簡単にチェックできるようリスト化してあります。

今回のチェックリストはリフォーム前の中古住宅を対象としています。5つのチェックをしっかり行っていただき中古住宅購入をぜひ成功させて欲しいと思います。

チェック1　建物の傾きをチェック

不同沈下(建物が不揃いに沈下を起こすこと)により建物が傾き始めると建物の各所で様々な症状が現れます。この症状を見つけることができれば後々のトラブルを回避することができるでしょう。

【外部からのチェック】
□ 外壁に斜めの亀裂はないか
□ 窓の四隅に亀裂はないか
□ 外壁（サイディング）の継ぎ目に隙間やシールの破断がないか
□ 外壁（サイディング）の継ぎ目に段差や盛り上がりがないか
□ 外壁（サイディング）を留め付けている釘の周りが割れていないか
□ 基礎に亀裂が発生していないか
□ 外壁の角の部分を隣家の外壁や垂直に建っている構造物などのラインに合せて見た時、違いはないか

【内部からのチェック】
□ 部屋の隅で上下にクロスの切れやたるみがないか
□ 窓周りのクロスに切れがないか
□ 窓の開閉がしにくくないか
□ ドア（建具）周りのクロスに切れやドア枠周りに隙間がないか
□ ドアを少し開けた状態にした時、勝手に開いたり閉ったりしないか
□ 壁が部分的に膨らんでいないか
□ 壁（下地となっている石膏ボード等）に段差がないか
□ 床と巾木に隙間がないか
□ 障子や引き戸を閉めた時、柱との間で上下に隙間がないか
□ 和室において木材（長押、鴨居など）と壁の間に大きな隙間はないか
□ 和室において壁に斜めに大きな亀裂がないか

チェック2　床のチェック

建物が傾いていたり、使用木材等が腐朽や白アリ被害にあっていると床に症状が現れてきます。生活する上で気になりやすい床の症状を把握しておきましょう。

□ 歩いた時、目まいに似た感覚はないか
□ 歩いた時、床がたわまないか
□ 歩いた時、ギシギシといったきしむ音がしないか
□ 床下点検口が設置され点検できるか

チェック3　白アリのチェック

白アリの発生による被害は建物の寿命を短くする他、地震発生時に倒壊につながる大きな原因にもなりかねません。簡単なチェックでいち早く白蟻の危険を察知する必要があります。

□ 建物周りに木製のプランターや縁台など木製の物が放置されていないか
□ 住宅が密集して日当たりや風通しが悪くないか
□ 庭の木や木杭を白蟻が食べた跡がないか
□ 小さな虫の羽が落ちていないか（4月～7月の期間で）
□ 床がギシギシといったきしむ音がしないか
□ 床が局所的にブカブカしないか
□ 水廻りの部屋で木屑が床に落ちていないか（白アリは湿気を好む為水廻りは要注意）
□ 水廻りの壁にカビが発生していないか（白アリは湿気を好む為水廻りは要注意）
□ 床下を覗いて木片が落ちていないか
□ 床下に水が溜まっていたり、湿気っていたりしていないか
□ 床下を覗いて基礎や束などに土の筋みたいな付着物はないか
□ 近所で白アリ駆除の処理をしたという情報はないか

チェック4　雨漏りのチェック

雨漏りは白蟻被害やカビの発生の原因を生み出し、生活する上で快適性を低下させるばかりか建物の寿命を短くします。

□ 軒天（軒・庇の天井）にシミがないか
□ 雨樋に枯葉やゴミなど堆積していないか
□ 外壁に亀裂が発生していないか
□ バルコニーやベランダの床の防水層に亀裂やキズがないか
□ 室内で異様にカビが生えているところがないか
□ 壁や天井のクロスがはがれていたり、シミが付いていないか
□ 壁や天井を触ったとき湿っていないか
□ 白アリが発生していないか（チェック3. 白アリのチェックポイント参照）
□ 屋根材が一部傾いていたりしていないか
□ 屋根材が割れていたりしないか
□ 屋根の勾配が極端に緩くないか

チェック5　外壁塗装の劣化のチェック

外壁塗装は紫外線や風雨により日々劣化し、ある一定のレベルに達すると防水性能が損なわれ建物内部にも大きな影響を及ぼしかねません。

□ 触ると白い粉上のものが付かないか
□ 塗装色が褪せていないか
□ 塗装がはがれていないか
□ 部分的に色が変わったりしていないか
□ 東西南北の塗装色を見比べてたとき違いはないか
□ カビや藻が付着していないか