はじめに
「土地探し」でこんな悩みを持っていませんか?
どうして不動産屋さんは親身になって土地を探してくれないのだろう?
希望どおりの土地がなかなか見つからないのは何故なの?
この土地を購入しても大丈夫だろうか?トラブルに巻き込まれたらどうしよう?
地盤が軟弱なエリアの様だけど、将来、欠陥住宅になったりしないだろうか?
土地を購入する際、そもそもどんなことに注意しなければいけないの?
何故、土地探しで悩みを持つ人が多いのか?
例えば、土地探しでお世話になるであろう不動産営業マンの多くは、売買の時にこんなことを考えています。
A. 地型のいい土地はないだろうか?
B. 即決してくれるお客さんならラッキーだ!
Aは土地の形が良ければ価格も高く設定でき、変形した土地より仲介手数料の割り増しが見込めるため不動産営業マンが好む土地であるといって過言ではありません。また地型がよければ早く買い手も付くため一石二鳥という訳です。
Bは、土地案内から直ぐに契約を交わしてくれる手間いらずのお客さんは不動産会社は大歓迎。短時間で労力をかけずに土地売買を成立させれば、次の案件に力を注ぐことができノルマ達成へと大きく近づくのです。
すべての不動産営業マンがこうした考えのもと業務を行っているとは言いませんが、多くの営業マンは「トラブルなく、早く、高く」売りさばく(仲介する)ことに全力を注いでいるのです。
このような考えの営業マンがあなたの「土地探し」を『成功させてあげたい!』、『応援したい!』と考えているのか疑問を覚えます。
あなたの土地探しをサポートするはずの専門分野の営業マンがこうした考えで動いている以上、これから”土地を探そう”とお思いのあなたは、業界の悪しき風習により不安を抱かずにはいられないのです。
“これ”さえすれば土地購入で失敗しない!
業界の悪しき風習に悩まされる以前に、まず注意しなければならないことを知っておく必要があります。この注意点を知っているか知っていなかいであなたの土地探しは大きく変わってしまいます。
“土地探し”を始めると、多くの人が必ずハマってしまうことがあります。それは、『もっといい土地があるんじゃないか?』といった想いが強くなることです。いつまでたっても自分が納得できる土地をみつけることができずに”土地探し”が長期化してしまい、ついにはあきらめてしまうといった笑い話にもならないことが起きてしまうのです。
こうした失敗を回避するためには、次の『土地探しの4つのポイント』を抑えることが重要になってきます。
注意点1 土地購入はエリアの決定から始めよう
土地探しをするうえでまず考えなければならないのは「エリアの決定」です。生活の利便性を優先し都心にするのか、または子供たちのために環境や住みやすさにポイントをおき郊外にするのか、何に重点を置くかでエリアがおよそ決まってくるはずです。
エリアが決定したら、いよいよ具体的に絞り込んだ土地探しとなってきます。数件の候補地が出てきたときには、必ず現地に出向いてみましょう。土地購入時のチェックポイントは次のとおりです。
– 土地購入時のチェックポイント –
【項 目】 | 【チェック内容】 |
最寄駅までの環境 | 距離、所要時間、道路状況、交通量、バス停の位置、コンビニなどの商業施設、治安 |
通勤や通学経路 | 距離、所要時間、交通機関の運行頻度、電車・道路の混み具合、交通機関の乗り換え回数、目的地までの運賃 |
市役所等の公共施設 | 距離、所要時間、各施設での駐車場、駐輪場の有無 |
スーパー等の商業施設 | 距離、所要時間、営業時間帯、商品価格、品揃え、駐車場 |
医療施設 | 距離、所要時間、診察時間帯、休診日、診療科の種類等 |
教育施設 | 距離、所要時間、教育費、入園、入学の難易度、教育方針、評判 |
嫌悪施設 | 施設種類、騒音、振動、悪臭、関係車両の出入り頻度 |
周辺環境の変化 | 計画道路予定、空き地の有無、月極駐車場の量、大型施設の建設 |
交通状況 | 交通量、騒音、振動、大気汚染 |
近隣状況 | 周辺住居の形態(戸建、アパート、マンション)、近隣住民の雰囲気、町内会活動の頻度、近隣トラブルの有無ゴミ置場の位置・状況 |
土地履歴 | 浸水歴、土壌汚染、過去の使用用途 |
上記項目を見て、「こんなにチェックしなければならないの?」と驚かれたかもしれませんね。しかし、これから購入しようとしている土地はおそらく生涯付き合っていく土地ではありませんか?そして将来あなたの子供たちに引き継ぐ土地でもあると思うのです。確認するほど有利な土地購入が可能になります。また、土地は時間帯により大きく顔を変えるため、朝、昼、夜と最低三回は現地を訪れ、周辺の雰囲気を知ってください。
土地は何百万あるいは数千万円もする買い物です。購入後に後悔しない為にもしっかりとチェックして欲しいのです。これがあなたの土地購入の第一歩になります。
注意点2 家が建てられる土地かどうかを調べよう
すべての土地に家が建てられる訳ではありません。土地購入後に「しまったッ!」とならないためにも購入する土地について事前調査が必要になります。おもなポイントは次の3つです。
1. 用途地域
都市計画法では、「都市計画区域」と「都市計画区域外」とがあります。また都市計画区域の中には「市街化区域」と「市街化調整区域」があり、住宅を建てることができるのは基本的に「市街化区域」となります。しかし、市街化区域であっても家が建てられない土地があります。それは「工業専用地域」です。工業専用地域内の土地が、住宅用として不動産会社等で扱われていることはありませんが、万一の時に備えて最低限知っておいてください。
2. 土地と道路の関係
マイホームは、建築基準法という法律を守り建てることができます。この建築基準法では、土地と道路との関係も規制しており、住宅用の土地には、幅員が4m以上の道路に間口2m以上接していなければならないという「接道義務」が存在しているのです。
では、道路幅員が4m未満の土地だったらどうでしょうか。この時には道路の中心線から2m後退したところを道路境界線とみなす「セットバック」という規制が発生します。このとき注意すべき点は、セットバック分だけ土地が削られることとなり、セットバックした土地には建物は当然のこと塀などの工作物も設置できません。
3. 接する道路の種類
道路には「公道」と「私道」とがあり、公道は国道、県道、市町村道といった行政が所有する道路です。私道は一般の人が所有する敷地を通行用に利用している道路となります。道路ごとで注意すべき点はありますが、「私道」は個人の所有ということもあり、詳細な調査をしなければトラブルに巻き込まれることがあります。特に注意しなければならない道路であることを知っていなければなりません。
注意点3 土地の安全性を確認しよう
住宅の耐震性、耐久性をいくら追求しても、住宅が建つ土地が軟弱地盤だと全く意味がありません。
不同沈下により窓やドアの開け閉めが困難になり、また外壁にクラック(ひび割れ)が生じるなど、住宅に不具合が生じることは将来安心して暮らすことができなくなると言っても過言でないでしょう。今巷でよく言われている欠陥住宅は、約70%が軟弱地盤によるものだと言われています。ではどのようにして土地の安全性を調べたらいいのか?
地盤の状況というものは周辺環境からある程度は推測できます。よって次にあげるチェックポイントを自分で確認してみるところから始めてください。
– 地盤状況のチェックポイント –
【項 目】 | 【チェック内容及び方法】 |
水域を埋立てた地域か | 各市町村の図書館で古地図や航空写真で確認する。法務局で土地登記簿謄本をとる |
周辺道路 | 道路より低い土地は水が溜まりやすく、地盤も弱いことが多い |
盛土による造成地か | 傾斜地や窪地に土を盛っている土地であれば転圧状況により地盤が軟弱な場合がある |
海、河川、沼、水田など | 雨のしみ込み度が早い場合、締め固めが不十分の場合がある |
雨天時の雨のしみ込み度 | 軟弱地盤による不同沈下の可能性がある |
近隣住宅の基礎などのひび | ひびの幅が0.5㎜以上なら注意が必要 |
地名が水に因んでいるか | 水田、水辺、低地・窪地、水域、水辺の動植物等 |
上記のチェックをして、その土地が軟弱地盤と疑える場合は、購入前後で正式な地盤調査を行う事も可能です。調査の結果、軟弱地盤であっても、地盤改良などの地盤補強工事を行えば十分強固な住宅を建てることができます。
注意点4 土地代以外の隠れた費用を調べよう
土地を購入する際、土地代にのみ目が行きがちですが、土地購入では不動産会社で表示されている金額以外に多額の費用が発生するケースが往々にしてあります。隠れた土地の特性により想定外の費用が発生してしまい資金計画が狂ってしまうことも、、、とくに次のような土地には注意が必要です。
1. 宅地でない
例えば地目が農地であれば、農地転用申請が必要となります。また農作物の撤去費用、畑土などの処分費、埋め立てが必要なら盛土費用が発生します。地目変更登記費用の発生も忘れてはいけません。
2. 隣地や道路との高低差がある
隣地、道路との高低差があると1mを超える高低差の場合、擁壁(土留め)工事の費用が割高になる可能性が高くなります。事前に擁壁工事の工事費用の算出をするなど対策が必要となります。
3. インフラ整備されていない
インフラとは道路や上下水道、電気、通信等の各設備のことをいいます。前面道路にこれらの設備が来ていないと新たに設備を引いてくる工事費が発生します。例えば下水道がない場合、浄化槽を設置すればいいと思いがちですが、長い目で見ると、定期清掃・点検などの維持費がかかってしまうといった注意点もあります。
4. 地盤が悪い
軟弱地盤ですと、地盤補強工事が発生します。地盤の強度如何になりますが、木造等重量の軽い建物なら費用は安く抑えられるかもしれません。しかし、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった重量のある構造ですと高額な費用になる可能性が高いです。事前に地盤調査ができればベストです。
5. 各規制地域である
各県、各市町村によりさまざまな規制があります。一般的に住宅を建てる場合、建築確認申請というものを行政に申請し許可をとり、工事に着手することが通例です。この建築確認申請以外に各規制による申請業務が必要な場合があります。申請費以外にも規制に係わる付帯工事の発生により、更に費用がかかることがあるので注意が必要です。
6. 境界杭がない
境界杭がないまま購入してしまうと、境界確定測量の費用が発生する場合があります。購入前に売主、隣地所有者立会いのもと、境界を確定し境界杭を設置しておくべきです。境界が明確でないと、将来あなたの子供たちにトラブルが降りかかることになるかもしれません。
まとめ
よく土地探しには『縁』も必要と言われています。縁にも色々ありますが、この「土地探しの4つのポイント」を活用していただき、更に「土地購入で失敗しない秘密の方法」を身に着けることができれば『良縁』に恵まれるのではないかと思います。