写真は、築17年の中古マンションの1室をインスペクションしたとき、「建具と建具枠が干渉」しているためドアが完全に閉まらない事象を撮影した写真です。
調査を進めていくと、この建具枠は上下でおよそ10㎜傾いていることがレーザーレベルによる測定で確認できました。高さ約2mの間で10㎜の傾きともなればドアが完全に閉まらないのも当然です。
では何故、この様に閉まらなくなってしまったのでしょうか?
部屋内の間仕切り壁の下地には木材が利用されています。おそらく、長年のドアの開閉や室内の湿度の影響により木材が乾燥収縮を繰り返し変形したことが一つの原因として考えられます。また新築時の施工不良の原因もあるかもしれません。
こうしたドアの状況のままですと、冷暖房が効かなかったり、風によりドアが勢いよく開いたりして人にぶつかる危険性もあるため、依頼者には補修をお勧めしました。
建具枠ばかりでなく建具周辺の壁の傾斜も若干みられましたため、リフォーム時に下地から補修する必要性があることを依頼者には伝えました。
こうして中古マンションにおいても、長年人がそこで暮らしていた訳ですから、各部分の劣化や不具合箇所というものは存在します。ホームインスペクションにより部屋の状態を知った上で購入することが重要です。