住宅診断の中には屋根裏(小屋裏)の検査があります。夏の屋根裏は40℃以上あり、屋根裏に入ると1分も経たないうちに汗が噴き出してきます。
大人は45℃以上の気温で約1時間もすると熱中症になるというので、これからの季節気を付けなければなりません。
屋根裏は、ひどい環境だなぁ~なんて思いましたか?
では、その外側の屋根はというと、直射日光を浴び、紫外線や風雨にさらされているため更に過酷な環境下にあります。そのため屋根には様々な性能が要求されるのです。
屋根材を選ぶときには、
まず、屋根材にはどの様な種類があって、またどんな特色があるのかを調べる必要があります。現在よく使われる屋根材といえば、『瓦系』、『スレート系』、『金属系』と3つに大別できます。
それぞれの主な特徴を挙げてみると、
『瓦系』・・・重厚感があり和風住宅にはとても似合います。断熱性能、防音性能がかなり高いといえますが、耐震、耐風、防水といった性能は長期的にみると多少不安が残ります。
『スレート系』・・・コロニアル、カラーベストという名が一般的な材料です。色や柄など豊富で洋風の住宅にはよく採用されています。建売の分譲住宅では『スレート系』の屋根材がよく使われているようです。
この屋根材の大きな特徴は何と言っても「軽くて安い」ことです。建物の耐震性能は確保しつつ、建物価格は安く抑えることができるところが一番の魅力になっています。
一方、メンテナンス時期が早くやってくる材料です。各性能を維持するためには、メンテナンスは必須となります。
『金属系』・・・近年、ガルバリウム鋼板が外壁や屋根などに使われ、デザイン性のある住宅が増えました。金属系の屋根の特徴は非常に軽い為、建物に負担がかからず建物の耐震性を高くすることが可能になること等が挙げられます。
また、シンプルで施工性も良い為、雨漏りの心配が少ない材料と言えるでしょう。この材料で注意すべき点と言えば、断熱性、防音性となってきます。屋根の下地には、断熱性や防音性の高い断熱材や下地材の設置が必須です。
こうして屋根材の特徴をみてみると、どれを採用しようか迷ってしまいます。
個人的に一番気にして頂きたい性能は、『 メンテナンス性』を挙げます。 近年日本の住宅の寿命は20前後と言われています。 今まで住宅の寿命が短かったのは、メンテナンスをしっかり行わなかったことが原因だったのです。
よって、これからの住宅はいかにメンテナンスを重視するかで『長持ちする家』になるかどうか決まってくるのではないでしょうか。
例えば、「スレート系」の安価な商品等はメンテナンス時期が早くやってきてしまうので、できれば採用を見送って欲しいということになります。しかし、予算を考えると捨てがたい。
現代の建築資材にはメンテナンスフリーの商品が現れ、屋根材に至っては「軽量な瓦系屋根材」、「30年メンテナンスフリーのスレート系屋根材」、「遮音性が高い金属系屋根材」と欠点を補う様々な高性能商品が開発されてきました。
こうした商品は、イニシャルコストは当然かかってしまいますが、長期的なランニングコストは少なく済みます。
住宅購入時にはコスト面も非常に重要です。よって初期費用ばかりに目を向けるのではなく、購入後、メンテナンスを考慮に入れたランニングコストにも目を向けることができればどんな屋根材がいいのかが自然とわかってくるものと思います。