近年、台風などの影響で河川が氾濫し、多大な被害をもたらすことが多いです。
また台風以外にも“ゲリラ豪雨”により床上・床下浸水などの被害が増えていることは皆さんご存じだと思います。
このゲリラ豪雨、今“あるマンション”にとっては非常に怖い存在になっています。そのマンションとは、『地下室マンション』です。
一時期、地下付きマンションが急増し、中でも地下1階部分と1階部分を1戸とするメゾネット型の形態をとるものが多かったようです。
こうしたマンションが、河川の近くや低い場所そして斜面等に立地していたら、ゲリラ豪雨時に濁流が地下部分(ドライエリア)に流れ込んでくる危険があります。
こうした『地下室マンション』が建設される用途地域は、ある用途地域に集中しています。その用途地域はというと、第一種低層住居専用地域になります。
第一種低層住居専用地域では、10m又は12mという厳しい高さ制限があります。ここで普通に高さ制限を守り3階建てのマンションを建設しようものなら、戸数が取れないので収益をあげることができません。
そんな理由から“地下室マンション”は誕生したのです。
しかし、この地下室マンションの中にはゲリラ豪雨で下水が逆流し、地下部分が汚水で一杯になってしまったというマンションもあり、選ぶ際には注意が必要となってきます。
マンション選びでは、地形的に浸水しそうな立地かどうかをチェックし、そしてハザードマップや河川の氾濫等の履歴も見る必要があります。
そして、第一種低層住居専用地域に建てられる“地下室マンション”は近隣住民からは、非常に煙たがられています。
それは、こんな問題点によるものです。
●日照、通風、眺望が妨げられる。
●傾斜地の場合、崖崩れの心配がある。
●人口増加により、交通量や騒音が増える。
●自然環境が悪化する。
●近隣住民のプライバシーが侵害される。
など、さまざまな問題が発生しやすく、近隣住民とディベロッパー(開発者)との間でトラブルになりやすいマンションと言えるでしょう。
ある地域では、地下室マンション建設に関する条例もできるくらいです。地下室マンションと出会った場合、様々な調査が必要になるかもしれません。