家づくりでは、耐震性と併せて断熱性を重視する方が年々増加しています。
断熱性能を上げるためには、やはり“断熱材”となる訳ですが、どんな断熱材があり、どんな断熱材があなたの家づくりで合っているのかを見極めることが重要となってきます。
”断熱材”と言っても、実にさまざまな種類があります。まずそれらの違いが何かを十分理解したうえで最適なものを選択しなければいけません。
よって断熱材について最低限の知識は得ておくべきです。
現在よく使われている断熱材を大別すると次のようになります。
1.繊維系断熱材・・・繊維状になっており、繊維の中の空気層が断熱効果を高めます。断熱性能以外にも吸音性があったりローコストといった特性をもち最も流通量が多い断熱材です。グラスウール、ロックウールといった断熱材のシェアは70%強。
2、発砲プラスチック系断熱材・・・独立した小さな気泡の中にガスを閉じ込めることで断熱性能を持たせた断熱材です。コストがやや高いですが断熱性能が非常に高いので今人気の断熱材です。
3.木質繊維系断熱材・・・セルローズファイバーとも言われ天然の木質繊維からできています。さまざまな太さの繊維が絡み合い、空気層をつくることで断熱性が高まります。また1本1本の繊維の中にも空気があるのでより一層熱を伝えにくくします。木質繊維特有の吸放湿性も特徴です。
次にそれぞれの施工上の注意点についてですが。。。
1.繊維系断熱材は、特に壁内の断熱材では、室内側での防湿フィルムの連続性が確保されにくい(施工者の知識や経験に左右され、施工ミスがおこりやすい)。天井に敷く場合、隙間ができやすいという点があります。
(グラスウールは、内部結露が発生した場合、断熱材が水や湿気を吸ってしまい断熱効果がひどく低下します。一方ロックウールは耐水性も持ち合わせているため、近年ロックウールを採用する人が増えています。)
2.発砲プラスチック系断熱材は、特に発砲ウレタンフォームは施工者の問題にはなりますが、厚みが不均一になるケースがあります。
また屋根裏に直接吹付け施工する場合、通気層を設けないと小屋裏に湿気が入りこんだ場合、冬場結露の原因となります。通気層を設けずして施工している施工会社は意外と多いので注意が必要です。設計段階での通気層の確認も十分行って下さい。
3.木質繊維系断熱材は、専用シートをしっかり貼りつけないと断熱材の沈下が発生し隙間が発生しやすくなります。発砲ウレタンフォーム同様、通気層の設置は必須。
以上の様に、断熱材の種類に関わらず、正しい施工法で断熱材を設置(施工)しないと高い断熱性能が得られません。
しかし、住宅建設の現場では、施工法に明るい監督や職人さんもいれば、そうでない人もおみえです。住宅は現場に携わる人によって大きく変わってしまうことを覚えていて欲しいのです。
よって家づくりでは、建築中、現場に足を運び採用した断熱材が正しく施工されているかどうかをしっかりチェックする時間が必要になってくるでしょう。
そして、どの断熱材を選択するかは”好み”や”予算”で判断しなければなりません。
コストと性能のバランスを重視するならば・・・繊維系断熱材
快適性を追求するならば・・・発砲プラスチック系断熱材又は木質繊維系断熱材
という選択になってきます。