新築住宅を購入する際には「瑕疵担保責任保険」、中古住宅を購入する時には「瑕疵担保責任なし」等チョット難しい言葉が出てきます。
今回は「中古住宅の瑕疵担保責任」についてお話します。
『瑕疵(かし)』・・・あまり聞かない言葉です。建築業や不動産業に携わる人なら知っている方も多いことでしょう。まず『瑕疵』とは、簡単に言うと物件の欠点や欠陥つまり「キズ」があることをいいます。
「キズ」といっても壁や柱等に欠きキズがあった場合、『瑕疵』になるかというとそうではありません。法的に言うと、その売買契約の目的物が通常有しているだろう品質や性能を損なっている部分があるかどうかを言います。
『瑕疵』にも次の様な種類があります。
1.物理的瑕疵・・・建物や土地についての欠陥
2.法律的瑕疵・・・法令等により使用収益が阻害されている
3.心理的瑕疵・・・心理的に住み心地の良さを欠く状態
4.環境的瑕疵・・・環境に問題がある状態
こうした『瑕疵』があった場合、売主が知っている事象であれば買主に告知する義務があります。しかし、今までその住宅に住んでいた売主とはいえ今まで知らなかった『瑕疵』も存在するのではないでしょうか。
こうした『瑕疵』を『隠れた瑕疵』といい、この『隠れた瑕疵』について売主が負うものが『瑕疵担保責任』というものになるのです。
もし、中古住宅購入後この『隠れた瑕疵』が発見された場合、民法では発見から1年間、買主は売主に対して「損害賠償」、「契約の解除」が請求できます。
しかし、最近では売主負担を軽減する為に瑕疵担保責任の期間を「引渡し」後2ヶ月程度と決めている物件が多い様です。また、築年数がかなり経過していると「瑕疵担保責任なし」といった物件もあるので注意が必要となってきますね。
では、こうした『隠れた瑕疵』はどの程度存在するのでしょうか?
結論からいうと、『物件による』ということになってしまいます。
つまり、中古住宅では少し表現は悪いですが「当たり・はずれ」があるということなんですね。
安心して購入するため、特に物理的瑕疵については、瑕疵担保責任期間を長めにしてもらう、専門家に建物を見てもらう、といった対策を講じることが必要なのではないとか思います。
近年、中古住宅購入時にホームインスペクション(住宅診断)の利用者が増加しています。そして平成30年4月には宅建業法が改正され、インスペクション有無の告知が義務化されます。
今後こうしたサービスを利用し中古住宅を購入する方が増えると『隠れた瑕疵』によって中古住宅購入で後悔する人が少なくなるのではないかと思います。