新築一戸建ての小屋裏詳細調査のため、小屋裏に進入するとおよそ8割くらいの確率で天井断熱材に隙間(上の写真)が発生していたり、正しく設置されていない光景をよく目にします。
隙間がよく発生している箇所は次のとおりです。
1.電気配線、照明器具がある箇所
1の原因は、大工がしっかり断熱材を施工するものの電気業者が後から照明器具の取付や配線工事を行い、一旦移動させた断熱材を元どおりに設置しないことが挙げられます。
2.つり木と断熱材が干渉している箇所
2は、つり木部分の切り欠き施工を大工さんが面倒がってやらない場合が考えられます。
3.梁との取り合いがある箇所
3は、断熱材を敷き詰める際、割り付けがうまくできない場合、断熱材を切断したりして調整して嵌め込んでいきますが、これも大工さんが面倒がって隙間部分に断熱材を設置しなかったことが原因と考えられます。
上記の様に、天井断熱材に隙間がありそのまま放置しておくと次のような弊害が起きてしまいます。
1.建物の断熱性能の低下。
2.冬場小屋裏内で結露が発生。結露からカビ、ダニの発生も危惧され、また接合金物の腐食も。建物の短命化に繋がります。
3.光熱費がかさむ。熱の出入りが発生するため、エアコンが効きづらくなり、室内の温度差が激しくなり不快となる。
特に1について知っていただきたいのですが、、、天井断熱材におよそ5%の隙間が存在すると断熱材の効果はおよそ半減してしまうというのです。そして10%の隙間が存在するとなんと断熱材の効果はありません。
ちょっとした隙間により、本来得られるはずであった住宅の断熱性能はグッと下がってしまいます。
内覧会に小屋裏に入り自らチェックする場合、背の高い脚立を用意する必要があります。また小屋裏に入ることができたとしても少々危険が伴いますので、小屋裏に入り慣れた専門家に見てもらうことが必要かもしれません。