新築建売住宅の内覧会でユニットバスの天井点検口から天井裏を確認する購入者はまずいないのではないでしょうか。写真は、そのユニットバスの天井点検口から天井裏を確認した時の浴室換気乾燥機のダクトが外壁へ貫通する部分を撮影した写真です。
換気ダクトの周りに隙間を発見しました。そしてその隙間の奥に懐中電灯の光を入れると、なんと外壁下地の構造用合板が見えてしまったのです。つまりこの隙間部分には断熱材が充填されていない状態です。
この様な状態では住宅の断熱性能の低下が懸念されます。
私が検査基準として利用している『フラット35技術基準対応 木造住宅工事仕様書』では断熱材は隙間なく設置又は充填することと記載がしてあります。その基準に適合していないことは一目瞭然です。
こうした換気ダクト等が外壁を貫通する部分は、壁の断熱材を貫通する訳ですから断熱材に湿気が流入しない様、また外部から冷たい空気・暖かい空気が隙間から流入しない様、換気ダクトと断熱材の防湿フィルムとの取り合い部分を“気密テープ”で処理しておく必要があります。
その処理後室内側のプラスターボードを貼り付ける手順が正しい施工法となります。
また、換気ダクト等が防火構造の壁を貫通する場合、換気ダクトとプラスターボードの取り合いは“耐火シール”で隙間なく防火区画処理を行う必要もあるので注意が必要です。
内覧会でユニットバスの天井点検口を開けて天井裏を確認するときには、換気ダクトと外壁との取り合いの処理が隙間なくなされているかどうか要チェックです。