住宅の階段の勾配 はどれくらいで設計したらいいか?
まず階段の寸法で考えなければならない部分は3点あります。
1.階段の巾
2.踏面 ・・・1段の奥行き寸法-けこみ寸法
3.蹴上げ・・・1段の高さ
です。
階段の各部の寸法位置は下図を参照してください。
階段の巾は、建築基準法では75cm以上と規定しています。しかし、すれ違いや家具などの出し入れを考慮すればもう少し広く設定したいものです。
踏面は、建築基準法では15cm以上と規定しています。ギリギリの15cmでは狭すぎますよね。
蹴上げは、建築基準法では23cm以下と規定しています。
もし、上記の最低限の寸法を守った階段だったらどうでしょう。これは非常にきつく昇り降りしづらい階段になってしまいます。
では、人が安全に昇り降りできる階段の勾配は一般的にどれくらいがいいのか!?
一般的な勾配は、 30度~35度 くらいと言われています。
しかし、間取りの問題、建物の大きさの問題、階高の問題などから一般的に造られる階段は45度位が多いようです。
寸法でみると踏面は230前後、蹴上げは210前後が平均の値になってくるでしょう。この寸法でおよそ45度くらいになってきます。
階段からの転落による死亡事故、怪我は結構多く、高齢になるほど死亡率が高くなっています。安全な階段の勾配を設定しましょう。
では、昇りやすいとされる階段の寸法はどうやって決めるか?
蹴上げ×2 + 踏面 ≒ 60cm (住宅性能表示では55~65cmとしている)
こんな計算をもとに設定あるいはチェックしたら昇り降りしやすい階段が決めることができると思います。昇り降りのしやすさを考えるならば、階段は踏面を広げる、そして段数を増やすと良いでしょう。