住宅の完成引渡後1年未満に壁のクロス(壁紙)が浮いてくることなんてあるんですか?
よくこんな質問をされます。
新築の住宅では、壁や天井のクロスの一部が完成後まだ間もないのに浮いたり捲れたりということはよくある事象です。心配しないでくださいね。
何故、こうした不具合が発生するかというと、木造住宅では、季節や気候によって湿度変化による木材自体の乾燥収縮や反りが発生し、ビニール製のクロスが下地(クロス下のボード類等)に追随できなくなるからです。また、暮らし方やその住宅の使用状況により影響を受けることもあります。
建物が季節や気候に馴染むには、1年程度様子を見る必要があるのです。こうした不具合はいたし方ないと思った方がいいかもしれません。
わが家でも、新築1年未満でクロスが浮いた部分が発生しました。少し期間をおいてから補修をして貰ったのですが、補修した所はそれ以降浮いたということは無いです。
こうした不具合が発生した場合は、湿度変化による木材の伸縮によるものなのか、施工不良によるものなのかを見極めなければ適切な補修はできません。
よって1年程度、家の状態が落ち着くまで経過観察した後、HMや工務店の1年点検実施時に不具合箇所をしっかり診断してもらい、適切な補修をしてもらうことが賢明です。
もし、補修後同じ箇所で不具合が発生したならば、おそらく根本的な原因は、クロスの下地施工に問題がある可能性が高いと言えます。
数年も経てば、下地材の反りや割れ、また建物自体のゆがみ、地震や地盤沈下によって壁や天井の仕上げに不具合は発生しやすくなるものですが、下地の施工精度により補修の程度や範囲は大きく変わってきてしまいます。
よって、下地から正しく施工してもらうことは当然ですが、施工中の下地の施工状態(クロスを貼る前の状態)を厳しくチェックした後、仕上げ工事に入ること(正しい手順、正しい施工)ができれば、長期的に不具合の発生は抑えることができると思います。
現場が着工したら多くのチェックが必要ですので前もって勉強しておくことをお勧めします。