基礎工事で最も重要と言える配筋工事。弊所が行っている注文住宅検査サービスにおける配筋検査では様々な不具合があります。その代表例の一つに『鉄筋のあき不足』があります。
「鉄筋のあき」は、鉄筋相互の間隔をいい、必要最低寸法が建築基準法で決められています。
鉄筋のあき(a)は下記のうち最大のものとしなければなりません。
① a=25mm
② a=1.25×粗骨材の最大寸法(25mm)
③ a=1.5d(d:鉄筋の呼び名の数値)
写真は、基礎の立上り部の主筋と腹筋の重ね継手部の「鉄筋のあき不足」の不具合事象です。
主筋がD13、腹筋がD10という異形鉄筋で組まれている訳ですが、通常これらの太さの異形鉄筋を使用した場合、上記②から、1.25×25mm=31.25mmとなり便宜上、32㎜の「あき」が必要となってきます。スムーズにコンクリートが基礎内に流れ込み鉄筋にコンクリートを付着させるためには32㎜以上の「鉄筋のあき」が絶対に確保されている必要があります。
もし、この「鉄筋のあき」が確保されていないとコンクリート打設時にコンクリートがまわりきらず基礎の中で空隙が発生し、強度低下や鉄筋への付着力低下の原因となってしまうです。
一般的な木造住宅でしたら、「鉄筋のあき」は32㎜を基準にしてみて下さい。基礎の鉄筋工事中現場に立ち寄った際に、職人さんがいれば「指二本分の“あき”はしっかり確保されていますか?」と声をかけてみると職人さんは「おっッ!」と思い、きっと「鉄筋のあき」をチェックしてくれると思います。
住宅で重要といえる基礎は、正しい施工基準で施工されていれば必ず品質は確保され、きっと大きな地震が襲ってきたとしても耐えることができるでしょう。