気になる中古住宅を見学したとき、基礎のコンクリートにひび割れ(以下:クラック)が発生していたら、「この住宅は大丈夫なのだろうか?」と不安が生じ、その中古住宅を購入しようかどうか迷うことがあるかもしれません。
中古住宅で見られる基礎コンクリートのクラックの原因は、
1.軟弱地盤が原因で建物の不同沈下により発生したもの
2.かぶり厚さ(コンクリート表面から鉄筋やアンカーボルトまでの距離)のが足りないことにより発生したもの
3.施工不良(コンクリートの調合ミス等)により発生したもの
4.地震や近隣の工事による振動で発生したもの
5.経年劣化(コンクリートの中性化により鉄筋が錆び膨張したため)により発生したもの
さまざまな原因でクラックが発生していることが考えられます。
クラックの原因を写真で判定することは非常に難しいです。しかし、実際の建物を総合的にホームインスペクションすることで、上記原因のどれにあたるのか察しがつく場合があります。
弊所では、ホームインスペクション時に発見したコンクリートのクラック巾が0.5mm以上の場合、依頼者には補修が必要であることを伝えています。
それは、クラック巾が0.5mm以上となると雨水などの浸入によりコンクリート中の鉄筋への影響が懸念されるからです。特に鉄筋が錆び膨張することでコンクリートを破壊させてしまうポップアウト現象は、基礎の強度を低下させる重大な現象です。こうした構造上の欠陥となるクラックは、適切な時期に補修・補強を行うことが大切なのです。