写真は、バルコニーの溝の勾配をデジタル水平器で計測したときの写真です。
『0.00%』なんと溝が水平になっており勾配がとれていません。これでは雨がバルコニーに吹き込んだ雨水や手摺から伝わり落ちた雨水は、溝に溜まりっぱなしになってしまいます。
ある程度溜ったとしてもドレンがある為、雨水はドレン内に落ちて行き、バルコニー自体がプールの様になるという心配はありませんが、しばらく溝部分に雨水が溜まっている状態が続くことが予想できます。
そのままにしておくと、水溜まり部分に苔や藻が発生し、防水層に付着するようになります。苔や藻が付着すると防水層塗装の劣化を促進してしまうので、洗い落して綺麗な状態にしておくことが必要となります。
ではどれくらいの勾配を確保する必要があるのでしょうか?
木造住宅のバルコニーの仕様にはなりますが、フラット35の技術対応基準ではバルコニーの床は1/50(2%)以上の勾配。バルコニー溝は1/200(0.5%)程度の勾配が規定にあります。よってマンションのバルコニーの溝においても1/200(0.5%)程度の勾配がとれていれば水は溜まることなく排水されると考えます。
内覧会では、水を入れたペットボトルを持参し、その水をバルコニーの溝に流してみてドレンに向って流れていくかどうかを確認することも必要だと思います。