木造在来工法の住宅検査において、上棟時(建方完成)の検査項目のひとつに『筋交いと間柱の固定』があります。検査を行うと、固定忘れや釘の種類の間違いなどの不具合をよく見かけます。
住宅における筋交いとは、柱と柱の間に斜めに入れ、地震や風などの水平力に抵抗するための部材で構造体の耐震性を高める効果があります。間柱とは、柱と柱の中間に壁材の下地として補足して立てる部材となります。
この筋交いと間柱は、固定する必要があるのです。その理由は、筋交いを設置する時、間柱を切り欠いて設置するため間柱の強度が低下してしまう場合が多いです。よって間柱は構造上主要な部材ではありませんが筋交いと固定し補強する必要があります。また間柱と筋交いを固定することでそれぞれの部材の反りや湾曲を防止することも期待できます。
では、具体的にどの様な『筋交いと間柱の固定』方法があるのか紹介します。フラット35技術基準対応の『木造住宅工事仕様書』によると、次の様に記載されています。
・通しぬき当たりは添え付けてN65釘2本を平打ちする(下図左)
・筋交い当たりは、間柱を切り欠き、N75釘2本平打ちとする(下図右)
また、平成12年建設省告示第1460号第1では、下の写真の様に間柱から筋交い側面にN75釘2本を斜め打ちする方法も一仕様として記載されています。
いずれの方法にせよ安心・安全な住宅で暮らすためには『筋交いと間柱の固定』は、必要な施工になってくるのです。