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インスペクション実施の告知(説明)義務化

はじめに

国は、新築中心の住宅市場からリフォームにより住宅ストック(既存住宅)の品質や性能を高めて、中古住宅の流通により循環利用されるストック型の住宅市場への転換を目指しています。

そこで、国は中古住宅の流通活性化のため本腰を入れ、ホームインスペクション(以下、インスペクション(住宅診断))の利用を促進し、売主も買主も安心して中古住宅が取引できる中古住宅流通市場を創ることを目的とした宅地建物取引業法の改正(以下、改正宅建業法)に着手したのです。

1.改正宅建業法の義務概要とは?

改正宅建業法では、主にA:既存建物取引時の情報提供の充実 、B:不動産取引により損害を被った消費者の救済、C:業界団体の研修努力義務、が主な義務概要となります。

特にAの「既存建物取引時の情報提供の充実」に関する内容が注目すべき事項となっています。具体的には、、、

① 媒介契約の締結時にインスペクション(住宅診断)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の依頼者への交付
つまり、媒介契約時には売主さんに対して、「インスペクション(住宅診断)どうしますか?」と案内しなければならない。このことによって売主は、「インスペクション(住宅診断)」という言葉を耳にし、その内容を知ることができる。「インスペクション(住宅診断)」の存在を知ったことで実際にインスペクション(住宅診断)の活用が期待できる。そして売主さんが「やります!」と言った時には、宅建事業者は、インスペクション(住宅診断)業者を紹介しなければならなくなるのです。

② 買主等に対してインスペクション(住宅診断)の結果の概要等を重要事項として説明
これは、宅建事業者が契約時の重要事項説明の際、買主さんに対してインスペクション(住宅診断)結果について詳細を説明しなければいけません。

インスペクション(住宅診断)の結果を説明する義務を不動産仲介業者が負うことになると、消費者が特に気にする立地条件等に加えて、「住宅の品質」を今まで以上に重視する売買が多くなる可能性がある。また重要事項説明時にインスペクション(住宅診断)結果を伝える際、「既存住宅売買瑕疵保険」の加入を勧めることができるので、今まで根強かった中古住宅の「不安」を解消する手段としてもおおいに活用が期待できる。

③ 売買等の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付
これは、物件引き渡し後に起こりうる細かなクレームも含めて“双方納得の上、売買契約が成立した”ことを書面で確認してもらう過程を踏むことになる。

2.インスペクションの目的は?

インスペクション(住宅診断)の告知を義務化した目的は何だったのかといえば、それは、「既存住宅の流通活性化」これにつきます。日本においての中古住宅の売買件数はここ数年17万戸前後と横ばい状態。流通量が増えない要因として、消費者が住宅品質を確認することが困難であることが挙げられます。

中古住宅を買おうとしている人は不安だらけ。立地や予算の問題で中古住宅を買おうと考えている消費者が多い中、購入後すぐに多額の修繕費がかかってしまったら大きな痛手となる。今回の宅建業法改正でインスペクション(住宅診断)が認知されれば、消費者の不安解消のひとつの手段となり、中古住宅を買うことにも前向きになるハズだ。

またインスペクション(住宅診断)の結果如何で、住宅ローンも借してくれる銀行も多くなる可能性がある。こうして、インスペクション(住宅診断)の実施で建物に関する情報を蓄積していけば、将来売却することになった時には、取引価格が大きく変わってくることになるかもしれない。おそらく近い将来、建物の状態が売買価格に反映されると考える。

その結果、誰もが安心して安全な家に住むことが出来る質の良い家が日本に増えることになるでしょう。既存住宅流通と住宅の品質が今後ますます上向いていくことを願うばかりです。

3.インスペクションに対する不安

改正宅建業法が施行されれば、売主および買主の不安は、インスペクション(住宅診断)を通して解消されていくものと思われる。

しかし、売主にとっては、

  • 「インスペクション(住宅診断)なんかやったら、ただ値引きの理由にされるだけ。」
  • 「手間暇かけたにもかかわらず、値段が下げられたら何のメリットもない。」
  • 「瑕疵がみつかって売れなくなったらどうするの?」
  • 「インスペクション(住宅診断)をやったことで希望価格で売れなくなるのでは?」
といったインスペクション(住宅診断)に対する不安があるに違いない。

しかし、売主が瑕疵を補修修繕して売却するようになれば、建物自体が適正に評価され、相場にマッチした価格で売却できる可能性が高まることも考えられる。また既存住宅売買瑕疵保険に加入した場合には、買主が入居後、隠れた瑕疵が判明した場合、瑕疵の修繕費などは瑕疵保険が対応するため、売主へ瑕疵責任が及ぶことはない。

こうしたメリットがあることを不動産仲介業者が売主に正しく説明できるかが問題であり、インスペクション(住宅診断)と既存住宅売買瑕疵保険は、売主の不安を解消するに値する大きな役割を担っている。

では、買主の不安はどうだろうか。

  • 「そもそも、この住宅を買っても大丈夫なのか?」
  • 「あと何年くらい住むことができるのだろか?」
  • 「近々の修繕費はどれくらいかかるのか?」

などの不安は、インスペクション(住宅診断)が行われるようになれば、購入前に家の状態について詳しく専門家に聞ける様になる。よって、今まで不動産仲介業者と買主との間にあった、中古住宅の情報のギャップが埋められることとなり、買主の不安は解消されるに違いない。

4.インスペクションの課題

中古住宅売買時に建物の現状について調査するインスペクション(住宅診断)は、目視を中心とした建物調査業務なので簡易的に思える。しかし、インスペクション(住宅診断)が実施されれば売主や買主、はたまた不動産仲介業者にもトラブルを回避する非常な有効な手段にもなる。

あとは実施されたインスペクション(住宅診断)の客観性が高いかどうかといった問題、そして誰が費用負担するかという問題をクリアーにしていくことが大きな課題になる。

客観性を担保するためには、インスペクション(住宅診断)を実施するインスペクター(住宅診断士)への依頼方法が何かしら間接的なものであれば、売主、買主、不動産仲介業者いずれの「利害」も一致しないという観点から第三者性を保つことは十分可能となるだろう。

現在、国は宅建業法改正の詳細をまとめている中、インスペクション(住宅診断)を実施できる者を建築士だけと限定することを決定した。インスペクション(住宅診断)を実施する建築士には、改正宅建業法の趣旨をしっかり理解し、ルールに則ったインスペクション(住宅診断)業務を実施することを期待したい。



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